dsPIC33FJ06GS001において、
- dsPICを最低限動かすための周辺回路
- dsPICでAD変換器とPWM出力を確認できる回路
- dsPICへのPICkit3を用いたプログラム書き込み回路
を1つの回路にまとめた回路図を記録として残しておきます。
Note :
AD変換器とは、電圧というアナログ値をディジタル値に変換する装置です。10bitのAD変換変換器なら0~1023 (2^10) のうちいずれかの値を取ります。このようにアナログ値からディジタル値を取得することでプログラムなどで計算を行えます。
Note :
PWMとはパルス幅変調の略で、固定周波数の矩形波において、オン時間とオフ時間の比率(=Duty比)を変えることを意味します。その波形をオシロスコープで観測しやすくするため、dsPICの足から配線をひっぱった回路図を記載しています。
何か困ったら以下のデータシートを見てください。
回路図
回路図の解説
それぞれみていきましょう。
dsPICを動作させるのに最低限必要な周辺回路(画像の1. ~ 4.)
1.電源
dsPICを動作させるのに必要な電源です。
Vddに接続されています。3.3Vを入力します。
2.デカップリングコンデンサ
dsPICへの電源供給の安定化およびノイズを入れない・出さない(EMC)ためのコンデンサです。C1とC2の静電容量は本来EMCなどを加味して決定するべきですが、今回はC3とC4と合わせています。
VDDとVSS(GND)間に接続しています。dsPICの直近に接続します。
3.PICの動作に必要なコンデンサ
dsPICを動作させるために必要なために必要なコンデンサです。
VCAPとVSS(GND)間に接続しています。容量は1μFと4.7μFとしました。
4.プルアップ抵抗
MCLRにHIの電圧を供給するために抵抗を通して接続します。MCLRがもしLOW(=0V)になるとdsPICがリセットされるからです。
VDDとMCLR間に接続しています。抵抗値は10kΩです。
dsPICの入出力(画像のア. ~ ウ.)
ア. AD変換の入力端子
電圧を入力することで、アナログの電圧値をデジタル値に変換し、プログラムで扱えるようにします。
テスト用で任意の電圧を入力しやすいように配線をひっぱり、ピンを付けるという意味合いで回路図を書きました。
省略していますが、実際に正しく使用する場合は直前にローパスフィルタを入れる必要があります。アンチエイジングフィルタと検索してみてください。
イ. ウ.PWM出力端子
任意の周波数・任意のDutyのPWMを出力することができます。2系統あります。
1系統あたり、LとHで2つあるのは、逆の波形が出力されます。つまり、PWMにおいてHがオンのときLはオフの波形が出力されています。
テスト用でPWMが出力されていることをオシロスコープで確認しやすいように配線をひっぱり、ピンを付けるという意味合いで回路図を書きました。
PICkit3との接続部(画像のa.)
a.PICKit接続部
PICkit3は上の写真のようなピンアサインになっているので、回路図のように配線を行い、5PINのピンヘッダをつければ接続できます。※6PINのピンヘッダを用意し、6番目のピンは接続しないという方法の方が差込が安定して良いと思います。
GNDについて
回路図ではGNDが別々のように見えてしまうかもしれませんが、1つに繋がっています。
この回路を作るメリット
- この2つの回路を1つの基板に実装することで、プログラムの書き込みと、その結果の確認がスムーズに行えるので、実験効率があがる。
- ディジタル制御器として制御器の周波数特性(ボード線図)を測定する場合の回路としても使える。
- プログラムの書き込み用の回路として使える。
勉強中のため、誤り等ありましたら申し訳ありません。教えていただけると嬉しいです。